平日の夕方から夜にかけてのニュースでは、「本日の日経平均株価の終値は、昨日と比べて○○円××銭上がって……」というように、株価の変動が扱われます。ここしばらく、その「日経平均株価」は上昇を続け、11月6日にも2017年の最高値を更新する22,548円35銭を付けました。さて、よく耳にするこの「日経平均株価」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
目次
株式市場と株価
株式市場への「上場」とは?
会社を設立するためには資金が必要です。例えば会社設立のために1,000万円の資金(資本金)が必要になるとして、自分だけでそれだけの額を賄うことができればよいのですが、なかなかそうもいきません。しかし、1人で1,000万円をポンと出資することはできなくても、親族や友人などを頼って50万円出資してくれる人を20人集めることができれば、同じ1,000万円を集めることができます。株式会社とは、このように株式の発行を通じて、多数の人々から小口の出資金を募ることで、多額の資本金を集めるシステムであると言えます。
事業が成功し、事業の規模を拡大したいと考えたときには、さらに多くの資本金を調達することが必要です。そうした場合、株式会社の経営者は「株式市場」への「上場」を考えます。
「株式市場」とは、株式会社が発行している株式を売買する場を指します。「上場」とは、自社の株式を株式市場で取引可能にすることをいい、上場することによって、その株式は株式市場に参加している多数の投資家の間で取引されるようになります。すなわち、自社が魅力的な企業であれば、身内や友人とは比べ物にならないくらい多数の人々に株式を買ってもらうことができるようになるのです。
株価はどのように決まる?
一般に、株価は「需要と供給」の関係で決まると言われています。投資家は、株式市場において「○○株式会社の株式を××円で△△株買いたい(売りたい)」というように注文を出します。
株式を買いたいと思う投資家が多ければ株価は上昇し(超過需要)、反対に売りたいと思う投資家が多ければ株価は下落していく(超過供給)、といった具合で株価は時々刻々と変動していくのですね。
「日経平均株価」って何者?
日本の株式市場の中心「東証一部」
日本の株式市場は東京証券取引所を中心に運営され、東京証券取引所には3,577社の株式会社が株式を上場しています(2017年11月6日現在)。
なかでも、上場にあたっての審査が最も厳しい東京証券取引所「第一部」には、2,035社が上場しています。
日本を代表する大企業たち
さて、冒頭にあげた「日経平均株価」とはいったいどのようなものなのでしょうか?
日本を代表する株価指数として世界中で利用されている。東京証券取引所第一部に上場する225銘柄を選定し、その株価を使って算出する。ダウ式と呼ばれる連続性維持のための調整をベースに、日本固有の株式取引制度を加味した計算ルールで算出する価格平均指数である。
日経平均を構成する225銘柄は、市場流動性やセクターバランスをもとに、定期的に見直
される。長期間にわたる継続性の維持と産業構造変化の的確な反映という二つの側面を満たしながら、市場流動性の高い銘柄で構成する株価指数を目指している。
算出開始は1950年9月7日。値は戦後、東京証券取引所が再開した1949年5月16日まで遡及計算している。当初は東京証券取引所が算出していたが、1970 年以降は日本経済新聞社が算出している。
出典 日経平均株価 算出要領(日本経済新聞社)
上記には、「日経平均株価」を発表している日本経済新聞社による定義を抜粋してみました。なんだか難しそうなことが書いてありますが、簡単に言えば「東証一部に上場する約2,000社のうちから225社を選出して算出した株価指数」ということになります。日経平均に選出されている企業には、日本を代表する大企業が多く含まれており、こちらのリストを確認してみると、おそらく名前を聞いたことのある企業がたくさんあるのではないでしょうか。
この「日経平均株価」は、東証一部上場企業を全て含んだ株価指数である東証株価指数(TOPIX)と並んで、個別の銘柄にとどまらず日本の株式市場の動向を表す指数として広く使われているので、ニュースでも必ず取り上げられ、今回のように高値を更新するとそれ自体がニュースになったりするのですね。
まとめ:株価指数をウォッチしてみよう
今回は株価指数を紹介しました。株価指数は、政治や経済の動向に敏感に反応して動きます。例えば、2016年にイギリスにおいて国民投票でEUからの離脱方針が決定された際や、現在来日中のトランプ大統領が大統領選挙で優勢と報じられた際には、一気に日経平均株価が1,000円以上下落したこともありました。株価指数は、為替相場と並んで政治や経済の動向を見る材料になりますので、ニュースや新聞で目にした際には気にしてみるのもいいかもしれませんね。